『憲法が変わるとどうなるの? ~子どもたちの未来・私たちのくらし~』学習会を開催しました

 

50人近い参加者で、会場がいっぱい、質問と意見が途切れることのない活発な会でした。

 

 第1部は、昨年の6年2組の担任、斉藤かいと先生がクラスで実践された憲法学習の報告。その後、会場と意見交換をしながら学び合いました。かいと先生は「自分のこととして関わって欲しい。他人事にして欲しくない」という思いから、5年生の頃から、自分たちと同じ年代の世界の子どもたちのことばをクラスで読み合い、それぞれの国の実情や背景に思いを寄せて考え合ってきたそうです。インドネシアの男の子の「国というものが違うだけで、こんなにも用意されているものが違うのか」という一言が心に残ったというクラスの声を紹介され、「敵をつくるためではなく、分かりあうために主張していくことが大事。子どもたちは、だれに向けて何を発信するのかがはっきりしているから、人前で語れなくてもいいと思う。」と伝えてくださいました。

 

 第2部は、保護者でもある、あすわか(明日の自由を守る若手弁護士の会)弁護士、宋惠燕さんが、「立憲主義とは、憲法で権力をしばるもの」「憲法がどう変えられようとしているのか」を、とてもわかりやすく話してくださいました。5兆円もの税金を軍事費に費やしている日本ですが、戦争してこなかった国だから、アフガンの武装解除に日本が大きな役割を果たしたこと、戦争しない国だからこそ国際紛争の調停ができるのだとの言葉に、「空気を読まず、想像力を持ってアクションを起こそう」との声が会場から上がりました。

 

 その後はカフェタイム。会のKさん手作りの、タルト、ロールケーキ、フロランタン、ゼリーなどなど、お茶と一緒に頂きながら会場と一体になってのやりとりが続きます。「日本会議って?」「政治の話がなかなかできない」「森友学園の籠池夫妻の拘留って違法じゃない?」などなど、たくさんの質問に会場全体での討論のムードが生まれ、学習がさらに深まりました。きっと、子どもたちもこうして日々学んでいるのでしょう。

 

 大学4年生の私の娘は、6年生の沖縄学習の後、さほど関心があるようには見えませんでした。大学に入ってから、イスラエル・パレスチナ問題を研究し、カンボジアでNGO活動にも関わり、今月コスタリカを訪れて、軍隊のない国を自分の目で確かめて来ると言っています。彼女は、4月から法律関係の出版社に仕事を得たのですが、先日なぜその会社で働くことを決めたのかを初めて話してくれました。

「NGOや政治、教育、福祉の現場など、今の社会をより良くしていくために、いろいろな働き方があると思う。私たちの暮らしを守ってくれているのは憲法であり、たくさんの法律なのだけれど、多くの人はそれを知らないでいる。自分は大学で法律と政治を学んできたから、私たちの暮らしを支え、権利を守ってくれているのが法であることを多くの人にわかってもらいたい。そうやって社会を良くしていきたい。」

そして「自分がそう思えるようになったのは、沖縄を学んだから。沖縄で証言者の方々に、多くのことを伝えられ、バトンを手渡されたから。」と伝えてくれました。

 6年生の沖縄学習から長い年月が過ぎましたが、蒔かれた種はゆっくりゆっくり膨らんで、時間をかけて根を広げ、芽を出し、伸びて行こうとしています。今日の学習会では多くのことを振り返り、向き合い、そして元気を頂きました。親である私も、ゆっくりかもしれませんが、根を張り、怖れず伸びて行こうと思います。

 

 

 

※学習会の資料の一部を掲載します。

 本資料は「リスペクトの政治をつくる大阪弁護士有志の会」が作成したものを許可を得て掲載しております。


参加者の方々の感想です。一部紹介します。

  • 改憲が間近に迫っている今こそ、しっかりと勉強し理解しておかないと、今後生きる子どもたちが将来つらい思いをしてしまうのではないかと、焦りを感じました。 今後の平和な世の中を守るため小さな力ではありますが、頑張っていきたいと思いました。

  • しっかり勉強していきたいと思いました。 かいと先生、ソン先生フロアのみなさんの発言にとてもとても勇気づけられました。

  • こういった機会に学習し、自分の考えや、思うこと、世の中のことで変だなと思うことを、一回自分の中で整理できることは、大事だなと思いました。マスコミの情報は操作されるので鵜呑みにできないし、自分で学んで情報を集める必要がずっとあるなぁと思いました。

  • 参加されたみなさんの積極的な討論が大変心強く思いました。 まさに、憲法12条をこの会は実践していると思います。

  • 本日参加とても有意義でした。改憲に隠された意図がよくわかりました。今の政治の現状もとてもよくわかりました。危機的状況の中にあるというのもわかった中で、自分がどう考えて、行動していくのかさらに意識して生きていきたいと思いました。

  • 毎日もんもんの中で、たくさんの人が集まった今日の9条の会は光が見えます。今後も勉強したいと思いますので、よろしくお願いします。お菓子もとてもおいしく、よかったです。

  • 沖縄、憲法、子供達に議論して考えさせる教育者、関心すると共に、誇らしく思いました。率直な意見交換ができる素晴らしい場です。

  • 今年は改憲に向けて一層の動きが激しくなるということで、実際的なスケジュールや具体的なポイント伺えてよかったです。ソンさんのような方が親和会員でもいらっしゃることを幸運に思います。

  • 子どもが学校で憲法を学ぶのが楽しみです。 日々努力なく見聞する情報だけでは一歩踏み込むことが難しく、こういった機会を作っていただいてありがとうございました。

  • 学校での取り組みもよくわかりやすく説明していただいて、我が家の子どもらが6年生を終えるころが楽しみになりました。 一人の力は弱くても、今日のように前向きな取り組みがいずれ実を結ぶ時がくると信じたいなと思います。