「この世界の片隅に」を通して 戦争中の生活や時代背景を学ぶ学習会を開催しました

 

12月1日の学習会を振り返って

 

お迎えした講師の植松さんはテーマに取り上げた「この世界の片隅に」の中にさらに片隅が存在していることに気が付かれ、その一つ一つをクローズアップして探って検証され、今回のような講習会を行う活動をされています。

個人的にわたしは片淵監督とこうの作品のファンでしたので、公開当初3回劇場に足を運び、Netflixで公開されてからは月に1度は観ていました。

 

主人公のすずさんへというよりも、物語に登場している娘を亡くしてしまうお母さんや徴兵や原爆で孤児になってしまう女の子、原爆症で弱ってしまうすずさんの妹という中心よりも若干外れた人たちを見ていたと思っていたのですが、植松さんの言う、本当の「片隅」の人たちには気持ちを向けていなかったことに気づかされました。

 

その片隅の人たちが誰なのか、学習会を通してくっきり浮き上がってきて、この物語が立体的に目の前に迫ってきました。そして映画「この世界の片隅に」の影響力を持たせたままTVドラマへと形をかえる過程で、意図的に物語の伝えていた片隅をそぎ落とし、本来のメッセージとは対局にあるものを埋め込まれ放映されていたと知りました。(ドラマの制作発表の際、「この世界の片隅に」映画制作委員会がこのドラマの制作とは全く無関係です、とのコメントを発表されていました。)

 

主人公のすずさんのようにただぼんやりと作品の世界に浸っていたことろから、終戦となり『暴力で従えとったいうことか』『じゃけえ暴力に屈するという事かね』『それがこの国の正体かね』と原作で覚醒するすずさんと同じ体験をしたような気持ちになりました。

この貴重な学習経験ができたことは独自に研究を続けてくださっていた植松さんのおかげであったと感謝の気持ちでいっぱいです。

 

余談ですが、片隅に描かれている女性の話を含めさらにいくつかの片隅を描いたフルバージョンで2019年に公開されるそうです。

(事務局H)

 

 

<参加された方の感想>

映画の評判はSNSなどを通して知っていましたが、観たいと思ってそのままでした。今回のお話は大変興味深く聞かせていただきました。

ぜひ原作本、映画、ほかのこうのさんの作品も見たいと思います。

早速、原作本を購入したいと思います。

沖縄や九州に基地が建築されている現状や、外国人労働者の問題は戦前・戦中と重なるところがあり不安です。

いまのTVは全くダメですが、まだ演劇・映画には表現の自由がすこし残されていると思います。頑張ってほしいと思います。

余談ですが、俳優座の有馬理恵さん(和光中保護者)が今度はだしのゲンの母親役で劇に取り組まれるそうです。「はだしのゲンを成功させる会」ぜひ応援をお願いします。

(在校生保護者)

 

 

学習会ありがとうございました。参加してよかったの一言につきます。すべてが興味深かったです。

「戦争を語り直す」このワードは心に刺さりました。

誰でも知っているTVドラマにありがちな家族愛などで描かれる戦争とは違う側面をまざまざと見せてくださった、教えてくださった学習会でした。

「この世界の片隅に」の原作も映画もTVドラマも見ていなかった私ですが、今後は息子たちとみて片隅に追いやられている戦争の隠されている事実を見つけていきたいと思いました。

(在校生保護者)

 

 

先の大戦を振り返って何を考えるか、ということがテーマだったと思いました。これまで、原爆という人類史上最も許せない兵器の実験とその被害についてが語られました。

その恐ろしさはいつまでも語り継がれなければいならないことですし、世界に広げていく必要はあります。その一方で日本の加害面について日本人は学ぶ必要があると思います。

挑戦を植民地にし、朝鮮人と連行(募集という形のカモフラージュもあった)してきたこと、朝鮮のコメ、土地を奪うこと、さらに満州をはじめ中国をターゲットとしたことなど、日本がアジア太平洋地域に対して行ったことを一つ一つを学びなおすことの重要性を改めて感じました。

(和光小教師)

 

 

植松さんのまとめの言葉にあった「広島と戦争と語りなおす必要がある」というところ、はっとしました。広島、戦争についてはその事実を学ぶのみ、聞くのみの受け身でのとらえ方しかしていなかった自分に気づかされました。語りなおすどころか、語っていいものだとも思っていなかったです。

語るほど知らないということもありますが、他人事とも思っているからではないかと自信を振り返るきっかけを頂きました。原作も映画も観ましたが今日聞いたことを家族でシェアし、語り始めてみたいなと思います。

今小6の娘はまさに戦争のことを深く学んでいる最中です。きっとたくさんのことを教えてくれるだろうし、これはどうなんだろう?という話もできる気がします。

ありがとうございました。

(在校生保護者)

 

 

「軍都」という認識があまりありませんでした。その土地が変わっていく「海苔から工場へ」の視点も自分では見つけられず、大変興味深いものでした。

(卒業生保護者)

 

 

社会的に反響の大きな作品で私自身、映画と漫画と拝見していたので今回丁寧に表現に含まれるメッセージや原作と変更されたケースの意図などについてのご説明をいただき、もう一度じぶんで考えながら読み返してみようと思いました。また、自分のルーツについても振り返り、戦争を含む近代史についても子どもと話し、調べたりしたいと思います。

本日は企画をしてくださった皆様も後援者様もありがとうございました。

(卒業生保護者)

 

 

「戦争や広島を語り直す必要がある」一番重い言葉でした。 

もちろん一方では切り捨ててきたふたをしてきた不都合な事実をしっかり見るということ。しかしもう一方で、私たちが当たり前に使っている「ことば」を見直すということ。最後に植松さんが「加害」という言葉を使わなくても伝えることができるとおっしゃったこと。

私たちが対話をし共に考えあうためにとても必要な視点だと思いました。

学び、学び直し、かわってゆくこうのさんや、植松さんの姿に私たちも力をいただきました。ありがとうございました。

(卒業生保護者)

 

 

私の母が宇部出身で空爆により街も家もなくなったと聞いていました。

呉から近い宇部は呉や広島と同じように軍の街でさらに鉱山もあったので、母から戦中・戦前のことを聞いてみようと思います。本日は先祖の歴史を考えるきっかけをいただきました。感謝いたします。

映画も観ていなかったので観ようと思います。

(在校生保護者)