田中孝彦さんと学ぶ「子どもの権利条約と、子ども・子育て・教育」学習会を開催しました

 教育学者の田中孝彦さんをお招きして、「子どもの権利条約と、子ども・子育て・教育」学習会を開催しました。

30名を超える方にご参加いただきました。ありがとうございました。

  

 

 <6・29学習会「子どもの権利条約と、子ども・子育て・教育」の感想文より>

 

和光小教諭

一般的な学校現場に持ち込まれている○○方式、○○スタンダードがなぜ拡がっているのか不思議でした。

子ども一人一人が生き方も個性も違うのに、同じ“こども”としてひとくくりにして「指導」することにどのような意味があるのか?一つの型を押し付けることで異質なものを排除することになるのでは、と思います。

カンファレンスの取り組みが子ども一人一人を大切にすることを前提としていることが重要で、根本に子どもの権利条約の精神があるのだと思います。○○スタンダードは政府が国民を分断するために上から押し付けてきている。それに従わざるを得ない現場の教員たちの苦しみも多くあるのだと思いました。世の中の仕組みを学ぶことの大切さを田中先生の話で改めて実感できました。

 

 

和光小保護者

分断が進むことで孤立し、着地点が虐待死や練馬の事務次官の息子殺害だとしたら近代の日本に悲愴感しか持てないがそんな中でひとりひとり話をしたり、繋がれる相手を捜して自分で生き易い容易に人生をカスタマイズする能力を息子が備えていけるように親として頑張らなければと思いました。“人とコミットすることを恐怖と思わずに、楽しみと思いえる”子どもたちが自然とそういう姿勢で生きていけるように沿いう言う世の中になるように願います。そのためには個々人の努力が必要な現代日本なのですね。

 

 

和光小保護者

世の中的に政治・教育と行き詰まりを感じることが多くなり、ヒントとなる話が聞きたくなり、参加しました。子どもの権利条約が一般的に広がる必要もあるし大人が学ぶ機会があるといいな、と思います。 

それをきっかけに憲法や子どもの教育に一人でお多くの人が関心を持てれば少しずつ社会も変わっていくのかなとも思います。 

 

 

和光小保護者

今日ははっとするキーワードが多くありました。「学習権」「乳幼児の権利」「異世代の共生」「子ども理解のカンファレンス」。5歳と3歳の男児を育てていますがなかなかそれらを意識して生活をしていなかったなと思いました。勉強不足もありますし、日々の生活で意識していなかったです。田中先生は子どもの権利条約について条文を知っているというだけではなく地域・子どもとの生活の中で進めていくことが大切とおっしゃっていて、全くその通りでどのようにはそれぞれに任された課題と、受取りました。ジュルジュ・スニーデルの「思い通りにならない異質な存在を愛せるのでなければ子どもを愛していることにはならない」という言葉が胸に刺さりました。ありがとうございました。

 

 

卒業生保護者

日頃感じている社会の問題をとても分かりやすくお話してくださり頂いた資料も持ち帰って読みたいと思います。今の世の中を見ていると“自分さえよければ”と見て見ぬふりをしている人が多く、政治もそれを映しているようで、社会にひずみが生まれ悲惨な事件につながっているのではないかと感じてしまいます。

我が子が幼いころ“地球に悪いか悪くないか”という判断基準をもってニュースを見ていたことを思い出しました。大変良い時間でした。ありがとうございます。

 

 

和光小職員

子どもの権利条約はイスラム圏に配慮して相当交代した条文になっていますが、にもかかわらず、日本での批准には5年も費やしました。ポーランドが78年に草案を作ったときから、条文化された89年、そして今に至るまでの間に様々なジェネラルコメントが国連からも出されて、条約は読み深められてきたと消えます。日本では逆に忘れ去られてしましそうな状況ですが、今日の話のように身近なことにひきつけて、各自が読み深めていく必要があるのかなと思いました。子どもの意見表明を受けて止める大人が意見表明できているのか。大人の意見表明権とセットで考えたいです。

 

 

卒業生保護者

始めから終わりまで前ノメリで聞いていました。育児を始めて12年あまり。うち10年間は子どもから伝わってくる和光と、自ら参加して得てきた和光の教育、知らぬうち色々な学びと刺激を受けてきました。偉そうですが今回のお話はなにかしっくりくるものがありました。多世代に渡る内容だったからかもしれません。(我が家も3世代で住んでますから。)今回の田中先生のお話は、どこの内容を取り上げてもとても興味深いものでした。

その中でも心に残ったのは、70.40、50.80問題。ここのところ頻繁に起こる事件の真相を解くわけではないけれど、戦後の歩みのゆがみのような。もう少しここのお話も聞きたかった。戦争体験を証言者から聞くこと、現地で学ぶことを小学校が大切にしている理由がここからも見えてきた気がします。もう一つは、抱えている問題や悩みを地域で話し合う仕組みつくりが大切というお話。ここはクラスの親和会に通じることだなと思いました。 

長年研究されている先生の言葉に難しいものはなく、とてもわかりやすく、そしてまだまだ分からないことがあるという学びの姿勢にとても感激しました。自分の考えばかりを押し付けてはいけませんね。和光の子どもたちのように聞く耳の大切さも田中先生の姿勢から再確認しました。小学校を卒業した我が子にも聞かせてあげたい内容でした。ありがとうございました。

 

 

その他の参加者の感想

・貴重なお話をありがとうございました。グローバリゼーションの進展・資本主義の変容とそれに基づく格差社会の広がりはよく耳にします。しかしこれからの社会構造の変化と子どもの権利を直接結びつけて考える視点が勉強になりました。一方で子どもの権利について研究も教育の場や親自身も日々学んでいると思います。その結果社会全体として子どもの権利事態への理解は昔より深まってきている側面もあると考えています。私が子どものころは学校での体罰も日常的に行われていました。不良たちは「社会のごみ」「ゴキブリ」などと先生に授業中に公言されていました。

今の時代は教育現場でも家庭でも子どもの権利が意識されていると感じる時もあります。

 

・それぞれの生き方に関わっているという言葉が心に残りあらたな目標になりました。

 

・田中先生のように地道に子どもの為の臨床研究をされてこられた努力があるから戦後の教育が徐々にゆがめられながらもまだ希望も残されているのだと思いました。日本中のどこへ行っても同調圧力に負けないひとりひとりが大切にされる教育がなされるようになったらそれはきっとなりたい未来。不断の普段の努力が必要と思いました。